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深堀 智生
JAEA-Conf 2020-001, p.17 - 20, 2020/12
東京電力福島第一原子力発電所(1F)事故から9年が経過し、オンサイトにおける研究開発状況は徐々に変化しつつある。多くの直接または間接の測定及び解析により、理解から予想にシフトしてきていると思われる。この状況に鑑み、本報告では1F廃炉のための核データニーズについて再考する。廃炉の各段階において起こったであろう、または起こるであろう状況を考慮し、事故進展、臨界管理、デブリ貯蔵、廃棄物管理等の視点にたって、核データニーズを検討する。
島田 明彦; 杉本 雅樹; 吉川 正人
JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 30, 2015/03
原子力関連施設で用いられるケーブル絶縁材(高分子)の加速劣化試験を行うにあたって、高分子は酸素が行き届いた状態で放射線照射されたか、そうでないのかを把握しておくことは重要である。これを確かめる手法として、エチレンプロピレンゴム(EPR)については、70CのKOH水溶液に5分間浸漬した後乾燥させて、SEM-EDSで観察することにより酸化領域(どの部分が酸化しているか)を調べる手法がある。本報告は、この手法をポリエチレン(PE)に適用するための技術改良について述べたものである。室温、2kGy/hの線量率で400時間線照射した厚さ2mmのPEシートについて、照射後のPEの断面を切り出した。予備試験の結果から浸漬時間を長くする必要があると考えられたので、浸漬時間を24時間とし、乾燥後断面をSEM-EDSで観察した。表面から約70mの範囲では、その内側に比べてK原子の強度が高かった。これはPEの酸化により生じたカルボン酸のH原子がK原子に置換されたことによってこの範囲のK原子の強度が高くなったためである。浸漬時間を24時間にすることにより、酸化したPEに対してKによる着色を行わせることができるとわかった。今後、酸化領域を完全に着色させるのに必要な時間を決定する必要がある。
安田 良; 西野 泰治; 三田 尚亮; 仲田 祐仁; 原田 克也; 野沢 幸男; 天野 英俊
JAERI-Tech 2002-081, 34 Pages, 2002/10
発電コストの効率化及び廃棄物の低減を目的として軽水炉燃料の高燃焼度化が計画されているが、高燃焼度化に伴う燃料挙動の変化に関する情報が、燃料の安全評価上必要とされている。燃料を高燃焼度化した場合、燃料ペレット及びジルカロイ被覆管にリム組織,水素化物などさまざまな微細組織が形成され、燃料の燃焼挙動に影響を及ぼすことが懸念されている。これらの微細組織の形成機構を検討するために、燃料・材料の表面微細組織の形状,寸法及び組成に関する知見が重要となる。日本原子力研究所ホット試験室では、微細組織の観察に有効である高分解能走査型電子顕微鏡を燃料試験施設に開発・整備した。本装置は、高放射性物質を試料として使用するため、遠隔操作式であり、遮へい能力,耐震性及び負圧維持を十分に担保した遮へい体並びにマニプレータ等の付属機器を設置し、安全性及び操作性を考慮した構造とした。また、組成分析するために可変型コリメータなどを組み込んだ高放射性試料対応エネルギー分散型検出器(EDS)を設置した。ジルカロイ水素吸収管及び酸化膜形成管を用いた特性試験を行った結果、高倍率10,000~30,000倍でも鮮明な撮影が可能であり、所期性能が維持されていることを確認した。
北條 喜一
プラズマ・核融合学会誌, 72(8), p.760 - 771, 1996/08
本論文は、講座「炉壁材料分析技術」の中の第3章を担当し執筆したものである。論文は、特性X線分光法(EDS)と透過電子エネルギー損失分光法(EELS)について、その原理から応用までが記載されている。
深澤 剛靖; 高橋 智子; 米澤 稔; 神白 唯詩; 峯尾 幸信; 羽原 多賀子; 小松原 康敏; 平松 伸章; 羽原 正
第31回情報科学技術研究集会発表論文集, 0, p.123 - 129, 1995/00
国際原子力情報システム(INIS:International Nuclear Information System)はIAEAとその加盟国の協力により作成される文献データベースであり、現在約180万件のデータが収録されている。設立後20数年を経たINISの今後の新たな展開と方針決定の基礎データを得るため、実際のINIS利用者を対象に、利用者ニーズ調査を加盟87ヵ国で一斉に実施した。本報告では、日本のINIS担当機関である日本原子力研究所が日本科学技術情報センターの協力を得て実施した国内調査の結果をもとに、INISデータベースの利用動向について述べる。
E.A.Kenik*; 北條 喜一
Journal of Nuclear Materials, 191-194, p.1331 - 1335, 1992/00
被引用回数:35 パーセンタイル:92.8(Materials Science, Multidisciplinary)この報告はORNLにおけるHFIR/ORRの日米共同実験で得られた成果をまとめたものである。FFTF内で高速中性子照射したUSPCAとEP838材の照射誘起偏析を分析電子顕微鏡を用いて分析した。測定はエネルギー分散型X線分光器(EDS)と透過電子エネルギー損失分光器(EELS)を用いて行った。その結果、USPCAでは転位ループ上に多量のNiとSiの偏析と、FeとCrの減少が見出された。又EP838材の粒界には、Ni,Si,Feの増加とMn,Moの減少とが生じているのを明らかにした。
柳原 敏; 中野 真木郎; 佐伯 武俊; 藤木 和男
1st JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering, p.65 - 70, 1991/00
JPDR解体実地試験においては、(1)作業の管理、(2)管理データ計算コードシステム(COSMARD)の検証、(3)商用発電炉の廃止措置計画作成の支援、等を目的に、種々のデータを収集し、解体データベースを構築している。また、収集したデータを分析し、解体作業の特徴を明らかにした。さらに、データの分析結果をCOSMARDのデータベース作成に反映し、同コードシステムを用いて、種々の条件下で管理データを精度よく算出できるようにした。
D.R.Champ*; J.O.Jirovec*; J.L.Young*; 熊田 政弘
Transport and Mass Exchange Processes in Sand and Gravel Aquifers; Field and Modelling Studies,Vol. 2, p.725 - 736, 1991/00
放射性廃棄物処分場からの核種の移行を予測するためには移行に及ぼす種々の過程を十分に理解することが必要である。その方法としては、バッチ法や室内でのカラム法が行われているが、本報では長寿命核種をもつTc、I、Pu、Np、Amについて野外で原位置カラム実験を行いバッチ法の結果と比較した。実験はカナダ盾状地を被覆している砂質滞水層中で実施した。滞水層から未攪乱の砂質コアを採取してカラムを作成し、コアを採取した深さにカラムを設置して地表からRIを含む地下水を注入した。ヨウ素以外のTcやアクチニド核種はカラム内に強く吸着した。カラム内に吸着した核種の分布を調べることにより、アクチニド核種はいくつかの化学形で移行していることが分かった。
中嶋 悟
鉱物学雑誌, 19(5), p.289 - 293, 1990/07
地球を取り巻く環境問題が議論される今日、鉱物学は地球社会にどのような貢献ができるのかを真剣に考える時期に来ている。筆者の関わっている放射性廃棄物の地層処分問題を例にとって、鉱物学に期待される発展とデータの蓄積について論ずる。岩石・鉱物中の物質の移動速度と移動経路の研究、岩石-水相互作用の際の物質移動・濃集に関わる反応経路・速度の研究、そして非破壊顕微状態分析法の開発等が必要であると考えられる。拡散係数、溶解・沈澱・結晶化反応速度定数などの信頼性の高い予言力のあるデータを、より多くの鉱物科学者が研究し蓄積していくことが切に望まれる。そうすることが地球社会におけるそして地球科学における鉱物学の意義付けをしていくとともに、鉱物学自身の新たな発展をもたらすことになると信じている。
村上 義夫
エネルギーフォーラム, 0(9), 112 Pages, 1989/00
原研では核融合炉の燃料給排気系に用いる真空ポンプとして総セラミックス製の回転体(羽根車)を高速で回転させる方式のダイナミックポンプの可能性を追求し、このほど毎秒500lの気体を移送する能力を持つセラミックターボ分子ポンプの開発に成功した。今回開発に成功したポンプは羽根車の直径が210mm、段数が16段の中型機で、回転体の全長は640mm、重量は約19kgである。これを4-5気圧の圧縮気体を動力として25000rpmで回す。気体軸受け、ガスタービンを用いた総セラミックス製のターボ分子ポンプが実用になると、核融合炉だけでなく、強磁場を発生する機器や高温・放射線下などの特殊環境で使用しなければならない真空機器にも有益である。また腐食性気体を取り扱う半導体製造装置などにも利用できる。一方セラミック回転体技術は小型発電機等のガスタービンエンジンの開発にも少なからぬ影響を及ぼすものと思われる。
伊藤 均; 飯塚 廣*
FAO/IAEA の Advisory Group Meeting on Decontamination of Animal Feeds by Irradiation での討議資料, p.15 - 31, 1979/00
抄録なし
島田 明彦; 杉本 雅樹; 吉川 正人
no journal, ,
原子力関連施設で用いられるケーブル絶縁材(高分子)の加速劣化試験の妥当性を評価するにあたって、高分子の深さ方向の酸化分布を把握しておくことが重要である。これを確かめる手法として、エチレンプロピレンゴム(EPR)については、70CのKOH水溶液に5分間浸漬した後、乾燥させてSEM-EDS(走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分光法)で観察することにより酸化領域を調べる手法がある。本報告は、この手法をポリエチレン(PE)に適用するための技術改良について述べたものである。室温、2kGy/hの線量率で400時間線照射した厚さ2mmのPEシートから短冊状の試料を切り出し、KOH水溶液に浸漬した。予備試験の結果からKOH水溶液の浸漬時間を長くする必要があると考えられたので、浸漬時間を24時間とした。浸漬後に試料を水洗し乾燥させてから、試料断面をSEM-EDSで観察した結果、表面から約70mの範囲ではその内側に比べてK原子の強度が高かった。これはPEの酸化により生じたカルボン酸のH原子がK原子に置換されたためである。浸漬時間を24時間にすることにより、酸化したPEに対してKによる酸化領域の識別(Kによる着色)を行わせることができることがわかった。今後、酸化領域を完全に着色させるのに必要な時間を決定する予定である。
矢野 公彦; 北垣 徹; 荻野 英樹; 鷲谷 忠博; Pascal, P.*; Jean-Franois, H.*; Patricia, C.*; Anne, B.*; Brissonneau, L.*; Brigitte, T.*; et al.
no journal, ,
フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)との共同研究契約において、CEAが実施した過去の大型MCCI試験による生成物を用いてMCCI生成物の特性把握を実施した。コリウム酸化物相とコリウム相/コンクリート相の境界部を含むサンプルを選定し、SEM/EDSによる観察とビッカース硬さ試験機による測定を行った。
坂下 弘人*; 川上 大良*; 小野 綾子; 吉田 啓之
no journal, ,
MCCI緩和策としてペデスタルに事前に水張りをする対策が検討されているが、この状況において溶融燃料が落下した際のデブリ周りの伝熱流動挙動に関する研究はほとんど行われていない。本研究では、誘導加熱法により発熱させた金属小粒子を堆積させた伝熱面において、粒子径および発熱量を変化させて限界熱流束を計測した。限界熱流束は粒子径の減少とともに減少するものの、粒子の発熱量は影響しなかった。粒子体積層内の気液挙動が限界熱流束を引き起こすとして導かれた既存の式は、今回の試験体系における限界熱流束を予測することができないことを明らかにした。